Aemilius Buca 家


Aemilius Buca 家の系図
アエミリウス・ブカ家




 ブカ家は、アエミリウス氏族の家名で、主に貨幣によって知られる。




Lucius Aemilius Buca
 ルーキウス・アエミリウス・ブカ


息子:Lucius Aemilius Buca

 スラの下の財務官であったと思われ、スラが前83年にノーラからローマに近づく時に見た夢を記念した貨幣を鋳造した。貨幣の表面にはウェヌス女神の頭部と、「L.BVCA」の字。裏面には眠っている男に、ディアナ女神が勝利を示している。
 その時の夢とは以下の様なものである。マリウスの一味が戦備を整えている間に、スラは同僚と完全な六軍団を率いてノーラから出発した時、自分の軍隊が直ちにローマの町へ向かおうと急いでいるのを看取ったが、自分では考えがぐらついて危険を恐れていた。しかしスラが犠牲を捧げた時、預言者のポストゥミウスは前兆を調べて、両手をスラの方に差し伸べ、戦闘が済むまで自分を縛って監禁してくれと頼んだ。万事が自分の望むように速くいい結果にならなかったならば、死刑を受ける覚悟だと言うのである。なおスラ自身にも夢に女神が現れて、それがルーナ(月の女神)であったかミネルウァ(知恵の女神)であったかベローナ(戦いの女神)であったが、いずれにしてもローマの人々がカッパドキアーの人々から教わって崇拝していたものだといわれている。スラはその女神が側に立って、自分に雷火を手渡し、自分の敵の名を一人一人挙げてそれにこれを投げつけるように命じたところが、人々は倒れて消えてしまったとも言われている。スラはこの夢に元気を得て、夜が明けてから同僚に話し、ローマへ向かって兵を進めた(プルータルコス、『スラ伝』9)。






Lucius Aemilius Buca
 ルーキウス・アエミリウス・ブカ


父:Lucius Aemilius Buca
44 貨幣鋳造四人委員(IIII vir Monetal)

 前54年のマールクス・スカウルスに対する裁判で、スカウルスに代わって裁判官に嘆願した(アスコニウス、28c)。
 下に示した貨幣は彼について触れているのだと思われ、その表面にはカエサルの頭部と「PERPETVO CAESAR(永久に、カエサル)」、裏面にはウェヌスが小さな勝利の像を持っており、「L.BVCA」とある。他にいくつかのこのブカに属する貨幣があり、その中の多少のものに「L.AEMILIUS BUCA IIIVIR」と刻印されているものが見つかるので、彼は造幣局の三人委員であったのだろうと思われる(『Dictionary of Greek and Roman Biography and Mythology』)。
 しかし、『The Magistrates of the Roman Republic』および『New Pauly』には、前44年の貨幣鋳造四人委員とある。







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